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Hanako Miyamoto
I cannot enter and I cannot leave
入れないし、出られない。
市民アートパレードに出品を考えていました。
テーマは「私の中の日本、世界の中の日本」
与えられた課題に対しての正直な気持ちは「分からない」でした。
「日本」も「世界」も、自分にとっては大きすぎて思考が止まるのです。
寄り添いすぎず、寄せ過ぎずに作ろうと決めました。
私のいつもの入口は「父」です。
考え出すと、幼いころの私にとっての
父は「日本」で、「世界」もまた父でした。
では今は違うのかな。
違う面もありますが、未だにそこから抜け切れていない部分も多いです。
小学校の校庭に白い犬が捨てられていました。
ポチと名付け飼いました。
夕方の散歩道、鼻歌をうたいながらポチと歩いて、家に帰ります。
無条件に穏やかで、楽しい記憶です。
もう犬小屋には、無理しても入れない。
でも、その心地の良い記憶から出られない。
大人になった私は、父は世界ではないと知っています。
そして、日本=父でもないと分かっています。
それでも、かつて培った感覚から出られず、留まり続けている部分が自分にあります。
《入れないし、出られない。》
2015年 インスタレーション
熊本市現代美術館展示風景
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